ながれぼし

きょう、先輩が退職する。先輩はとても美人で人気があって、とてもとても、みんなから好かれていた。辞めるんですか、辞めないでくださいといろんな人に言われているのを何度も見かけたし、いろんな人にお疲れ様でした、とプレゼントをもらっているのを見た。その度によかったね〜〜!!!!といちいち泣きそうになっている。先輩の頑張りがきちんと伝わって、みんなに愛されてるんだと思ったから。仕事に関してよかったね、って言えることが本当に少なくて、なんで?とかどうしてそうなるの?みたいな不満みたいなものがあまりにも多かったから、最近はずっとよかったね、って言えて本当にうれしい。ほんとによかったね、先輩。

私が今の部署に来てもうすぐ2年になる。たった2年の付き合いだけど、ほぼ毎日一緒にご飯を食べたり、上司や周りの愚痴を言い合ったり、お互いのしんどいときも見たりしているわけだから、とても濃密な時間だったと思う。愚痴を言い合う相手がいなくなるのはとても淋しいし(昨日も大量に細々と訂正されたA4の紙の束を見ながら、見てるだけで胸焼けしますね!ケーキ100個分!なんて言ってた)、なんだかんだそれも楽しんでたんだなあ。日常が愛おしいって本当だね、明日にはもう日常じゃなくなってしまうんだなあ。

昨日からどんな気持ちでいたらいいかわからなくて、サプライズの準備をしてるときはずっとどきどきわくわくしていたけど、昨日のお別れ会のときにひとりひとり先輩に話さないといけないときは、上司ももう1人の先輩も泣いていたので、泣いてしまった。せんぱい〜ほんとにやめるんですか!?いいんですね!?こんなにお二人が泣いてるんですよ〜〜!!!????なんておどけてたけど、一瞬間ができた瞬間に泣いてしまった。新しい道に進んでいくことはとても喜ばしいことだから、ぜったいに喜んで送り出したいけど、やっぱり淋しい。実感もない。ほんとに明日来ないのかなあ。

 

今日はみんなでシュークリームを食べて、先輩からプレゼントをもらった。メッセージカードは帰ってから読むことにする。挨拶をしている先輩は涙目で、すごく大事な言葉を言うときに目があった。帰るとき、「じゃあかえるね」と言ったら「ほんとにさよならのときがきちゃった、前にまた明日会えるのにさよならって言ったりしてたのに」って、随分前にゲラゲラ笑いながら帰ったことを思い出して、もう明日からは言えなくなるんだって、ていうかなんで覚えてたの、なんでいまそのこと言うかなあって、涙が止まらなくなって、先輩は腕を広げてハグ!ハグ!って感じだったけどどうしたらいいかわからなくて、立ち尽くしてしまって。少しハグをして、ご飯食べに行こうねって言って、途中までつきてきてくれて、なんか遠距離のカップルみたいなだなと思いながら建物を出た。私は保育園に行かなければならない。さよならが建物の中で起こっていても、日常は回っているのがとても不思議に感じている。ごはん、今日くらいはさぼっていいかなあ。