いくつか咲いた花のこと 2
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最後の出勤日。おやつの時間の頃、センター長の先生が最後だからとわざわざケーキを買ってきてくださった。仕事での関わりはあまりなかったけど、あなたの笑顔が見られなくなるのが寂しいですと何度も言ってくださっていたので、やさしい先生に巡り合えていたんだなあとしみじみした。その買ってきてくれたケーキが、派遣さんが昔バイトしてたケーキ屋さんのものだったのがめちゃくちゃ面白かった。何度もそこの話を聞いてて(知らぬ間にシフトを増やされて当日突然勤務あるんだけど！？って連絡が来るようなところだったそう)、こないだホームページまで一緒に眺めてたので、ほんとにびっくりしたし、伏線回収〜〜！とゲラゲラ笑った。ケーキを食べる時に花束と色紙とプレゼントをいただく。年度末のクソ忙しいときに、合間を縫ってサプライズまでしてもらえたことがとてもうれしかった。「プレゼントはササハラさんがなくしたものだよ〜！」と先輩が言うけど、常になにかなくしてるしわかんないなあ、なんて思いつつ、ケーキを食べた後に開けると(ちなみにケーキは2つも食べた)、サーモスボトルが入っていた。確かに1週間ほど前から、水筒の蓋をどこかで紛失してしまって、いま水筒がないという話をした。部署の中でだれかがその言葉を拾ってくれてたこと、ちゃんと誰かはわたしのこと見てくれてたということに感動してしまって、全く泣く予定なんてなかったのに、ぼたぼたと涙が出てきた。水筒買わなきゃって、どれを買うかも完全に決めてたのに、なぜかお店に足が伸びなくてずっと買えずにいたのもあって、本当に嬉しかった。
夕方からは私が好きな人だけを集めて焼肉を食べた。その前に派遣さんと合流して茶ァしばこうや〜〜！！！と言っていたけど結局その辺のベンチで過ごした。派遣さんはプレゼントがありますとまた紙袋をくれた。エッ今日プレゼントもらいすぎじゃない？やばくない？いいんかなこんな思いして？？？？とどぎまぎしながら中を見る。中原淳一さんの絵が描かれたメモ用紙に、ラッピングされた箱が二つ。しかも一つは自分でラッピングしましたけど、もらっても私はうれしくないと言う。なんで嬉しくないもん人にあげてるん、けどさプレゼントってわざわざその場にいない人のことを思い出して選ぶということが尊いし、しかもこのプレゼントわざわざ自分で包んでくれたってそれ自体がとても素晴らしいことやんなどと言いつつ開けてみたらコンソメスープと固形コンソメが出てきたので爆笑してしまった。毎日「何飲んでるんですか？」「コンソメスープです〜ベーコンひっかかって出てけーへんわ〜〜！」(ほんとはあったかい緑茶を飲んでいた)というくだりを繰り返していて、思い出の詰まったものを選んでもらえてすごく嬉しかった。プレゼントにまさかこれ選ばれると思わないしびっくりしたし、こういう面白いプレゼント大好きだなーーと思った。やっぱり彼女賢いわ。ちなみにちゃんとお茶もくれた。そのあとはロクシタンでいつもいい匂いがする元管理職現パートのおじさまの香水を探す。(結局見つからなかった)
焼肉を食べる。ちょっと高めの焼肉屋さんで、全部焼いてもらえてしかも好きな順から焼いたるわ〜〜！！！と言われて完全にVIP待遇だつた。どのお肉も今まで食べた中でいちばん美味しくて幸せだった。先輩もまたプレゼントをくれて、ハリボーをもらった。ハリボーもうちの部署で馴染み深いお菓子なので、思い出の品を貰えるとこんなに嬉しいんだなあと思った。今日もらったお花の色を決めるときに満場一致で黄色とオレンジになったことや、サーモスボトルの前にスタバのさくらのタンブラーにしようと思ってたら全店舗で売り切れだったなどのエピソードを教えてもらった。最後に私からのサプライズでちょっとしたプレゼントとお手紙を渡して、駅まで歩いて解散した。先輩とは今日で一旦お別れだけど、まだまだ楽しいことはしていきますからね！！！とりあえず4月になったら定例報告会をしましょう！！と約束してばいばいした。
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仕事の関係で知り合ったドイツ人の先生のおうちにお邪魔した。課長と前述の派遣さん、おじさまとくまで伺った。先生のおうちで手作りのりんごのケーキをいただいて、近くの観光地を散歩して、それからまたおうちでドイツ料理をいただいた。おいしかった。みんなくまに優しくてありがたかったし、先生にはいい娘さんですねと言ってもらえてうれしかった。グランドピアノがリビングに置かれていて、くまは何度も音を出していた。薪ストーブもあった。先生の旦那さんもくまとたくさんしりとりで遊んでくれたし、おじさまはじゃんけんに何度も付き合ってくれた上に帰り寝ちゃったら駅までやったら抱っこしたるしな〜と言ってくださってこんなハイスペなおじさま存在するんだな？？と気遣いに感動した。(おしゃれでいい匂いがして優しくて仕事ができてさらっと会計もしてくれてまじ二次元)時間の都合上先に帰ることにしたんだけど、課長にはお世話になりましたと挨拶し、派遣さんとは再会の予感しかしないね！！？？？うちにウノやりに遊びに来てね！！？？と言い合い、おじさまとはダディロングレッグズのDVDが出たらまた会う約束をした(貸してもらう)。先生が途中まで送ってくれて、先生とは連絡先を交換し、ハグをして別れた。
勤務してたのは3年だけど、在学期間を合わせれば8年くらい居たことになる。長かったなあ。ここに来ることになったのも、高校の国語の先生の「ここいいんじゃない？」が始まりだったので、長い長い道がひとつ終わった気がする。やっと大学の外に出るんだなあ。明日からは新しいところに行くけど、まだ実感がなくて、たぶん当たり前にやり取りしていたことが全部なくなったことがわかって、はじめて実感するのだと思う。お茶を飲んでても、コンソメスープですか？とはもう二度と聞かれない、とか。
辞めるにあたって色んな人に挨拶に行ったけど、顔見知りの人がこんなにたくさん居たんだなあということがすごく嬉しかった。明るい声が聞こえなくなるのが淋しいとか笑い声好きだったよってよく言ってもらえて、そんな風に見てもらえてたんだなあって。(社交辞令かもしれないけど！)
この二日間でもムカつくこともクソみたいなこともやっぱりいくつかあったし、こんなとこ辞めて正解だなあという気持ちしかない。今がやめ時だ！でも、出会えてよかった人たちもたくさんいたので、その人たちとはこれからも楽しいことをしていきたい。まずは昨日の報告会をやろう。
