坂本真綾 LIVE TOUR 2019「今日だけの音楽」@フェニーチェ堺 20191215

坂本真綾ちゃんのツアー「今日だけの音楽」を見に行ってきた。11月末に発売された「今日だけの音楽」のアルバムを引っさげたツアーで、またこのアルバムがめちゃくちゃよかったので、生で聴けるのがとても楽しみだった。真綾ちゃん、また歌上手になったのでは……!!??と思うくらい透明感の増した歌声で、常に「今がいつも一番輝いている」ひとだと思う。

前日にパパが参加していて、「2列目だったけど前列の席がなかったからほぼ1列目で見れた」「ただ映像の演出があるから全体で見られるほうがいい」などの話を聞いていたけど、パパはアルバムをほぼ聞かずに参加して「いいライブだったよ」と言っていたので、期待は膨らむばっかりだった。私が行く当日の朝、頭が痛いという話をしたら「え!ママ家でゆっくりしたらいいよ〜〜〜!代わりにパパが行ってくるし!!パパはママにゆっくりしてほしいから!!!!」とチケットを強奪されそうになったので死守した。渡しません。

フェニーチェ堺という新しいホールでの公演だったのだけど、元堺市民会館のあった場所で、高校の時に人権学習のなんちゃらで行ったり何かしらで行ったりしたことがあるところだったので、エッ地元に真綾ちゃん来るのやばくない??????という気持ちでいっぱいだった。地元に真綾ちゃん………………。大阪の中心地でもなんでもないところなのに………。結婚して地元を離れてからこの周辺には行ったことがなかったので、随分久しぶりになってしまった。改札から降りて大通りに出た時、なんとなく記憶の中にある街並みのような、でもちょっと変わっているような。懐かしい気持ちになった。行きたいパスタ屋さんがあったので、高島屋に寄ったけれど、そこは記憶よりも全然寂れててびっくりした。目の前の道だってもっと人がひしめき合っていたような気がする。よく行っていた楽器店にも行ったけど、古めの楽譜が置いてあって、電気に近いところに置かれているからか若干変色していて、この楽譜たちは長い間ここにいるんだな……と思った。

会場に向かうとき、今回のグッズの鞄を持っている女性がいたのでついて行って無事に辿り着けた。道まではさすがに覚えていなかった………。フェニーチェ堺、SAKAIではなくてSACAIなのが若干ウケる。

 

私の座席の16列目、ちょっと遠いかなと思ったけれど、全体が見渡せてちょうどよかった。心を落ち着けつつ開演を待つ。朝からずっと落ち着かなくて、落ち着かない中で家を出るために洗濯と買い物と晩ご飯作りをしてきたけど、なんで私がやらなあかんのや???わたしが家を空けようとしたらなんでこんなにいろいろしてから出ていかなあかんのや????と思って家族に当たり散らしてしまったので、イベントがあって落ち着かない日はできるだけ何もしなくていいような仕組みを作りたい。

 

真綾ちゃん、コンサートと呼ぶべきかライブと呼ぶべきか悩むんだけど、最近はライブ感が増してきているのでライブと呼びたいのだけど、めっっっっっちゃいいライブであっという間だった。曲順とかもうぜんぜん覚えてないんだけど、まず生で聴く「今日だけの音楽」の曲たち、とってもよかった。音源で聴くよりもっともっと美しかった。

アルバムの2曲目に収録されている「Hidden notes」、絶対聞きたかったんだけど、ツアーでも2曲目で、美しくてうっとりした。この曲の何が好きって1番のサビの「あなたは生きている そう生きている 今日だけのあなたを」なんだけど、この曲のほかに今年出たシングルの「宇宙の記憶」でも「あなたは生きている」って真綾ちゃんは歌っていて(歌詞を書いたのは林檎さんだけど、真綾ちゃんにこういう歌詞を書いたのがさすがだな……!と思う)「今を生きている」っていうのは真綾ちゃんが歌っていきたいことのひとつなのかなあとも思うし、わたしが同じことばっかりぐるぐる考えてると進んでない気がして生きてるとか死んでるとかも思わなくなるんだけど、はっきりと「生きている」って歌ってもらえると、ちょっとずつでも進んでるのかなと思ってはっとするし、望みが出てくる。のでとても好きな1曲。「ユーランゴブレット」「お望み通り」「火曜日」、聴きたい曲がいろいろ披露されて、難しい曲も歌いこなす真綾ちゃんすごかったなあ。音源で聴いてたときよりずっと好きになったのは「トロイメライ」で、6〜7曲目までずっと座ってたけど、トロイメライが始まった瞬間何人か立ち始めてわたしもたちたーーーーい!!!!!!!と思って速攻立ってアップテンポな曲だから身体揺らすわ腕上げるわでホールなこともすっかり忘れるくらい楽しんでしまった。ブーツで来たことを後悔した。足痛い。そしてもっと薄着で来るべきだった。

それから、懐かしい曲たちがいくつか聴けたことがよかった。長くライブに通うことの利点として、随分前に世に出た曲が生で聴けることだと思うんだけど、「cloud9」「秘密」「ソラヲミロ」「月曜日の朝」がめっちゃよくて、今感じた気持ちは本当にいまこの瞬間にしかないものだし、「今日だけの音楽」だなあと思った。そしてイントロでおおおおおって鳥肌が立つ感じが!もう!ライブでしか味わえない気持ち……!「月曜日の朝」ってもうまず何年も再生してないね!!!???懐かしすぎるな!!!???どうやら日替わり曲だったようで、「青い瞳」「ともだち」ときて「月曜日の朝」だったそう。「ともだち」もライブで聴いたことない………レア…………。「秘密」も今聴くとまたグッとくるし、「たいていのことならもう我慢できる/こんなことを強さだというの/偽善者」って、なんかすごく考えさせられる…………。「ソラヲミロ」もこんな力強い曲だったっけ!?っていう……よかったなあ…………。

真綾ちゃんがMCで人生で歌いたいことは3つくらいしかないという話をしていて、やっぱりそうだよねえと納得しつつ(例えば2007年にリリースされたアルバムに入っている、ユニバースの「本当の答えは自分の中にあるの」、2016年にリリースされたMillion cloudsの「美しい世界は遠くにあると思った/船を待つ人魚のように/生まれて初めてそうだと気がついた/今」、わたしは足りないものばかりを探して落ち込みがちなのでグッとくる、足りてないものはちゃんと持ってるって信じる気持ちだけだと思うから)、だからこそ信頼できるし、ちょっと離れてた期間はあったけど、また戻ってこられるんだろうなあ。ほんとにほんとにあっという間のライブでめちゃくちゃよかったです。

 

あとここからはちょっと楽しくない話も含まれてくるんだけど、二曲くらい手拍子するには難しいのでは?というか4拍子の曲じゃないよね?みたいな曲で手拍子が始まって、でもお客さんもおかしいと思ったのかだんだん手拍子が消えていってて手拍子もまた音楽の一部であり生きてるな……としみじみ思った。それから終演後出口に向かっている時に、後ろにいた女性が「みんな立ち始めちゃった時、立たないでー!」って思ったと言っていて、私は立って見たいし腕もがんがん突き上げてたいタイプだけど、真綾ちゃんのライブはどんな曲もゆっくり座って噛み締めて聴いてる人が多いような印象だし、寧ろこういうお客さんのほうが大半だろうから、むずかしいなあと思った。前回のファンクラブイベントもライブハウスだったけど、後ろのお客さんは見え辛くてちょっとそこがな……みたいな話もいくつか見かけたし(私は躍り狂えたのでさいっっっっこうに楽しかったんだけど)、むずかしい。そしてファンクラブイベントのときよりは控えたけど今回もまあまあ飛び跳ねたし腕もあげてたけど、私が見える範囲では0.3%くらいの人間しかやってなかったので、たぶん真綾ちゃんのライブでそういう風に過ごしてたい人間はそんなにいないんだとおもう。でも真綾ちゃん、期待は裏切っていきたいと言っていたので、またライブハウスでのライブお願いしたいな〜〜!