真綾ちゃんによる「これまでの坂本真綾」@坂本真綾ALL CLEAR0311 大阪国際会議場

坂本真綾ちゃんALL CLEAR大阪2日目を見てきた感想。

 

真綾ちゃんが10代の頃に歌った曲から最新曲まで、本当に新旧織り交ぜられた曲が披露されて、「これぞ坂本真綾!」というような、これまでの真綾ちゃんが凝縮されていたセットリストだった。

今回は真綾ちゃんが歌いたい歌を中心にセットリストを組んだそう。いろんな時期の歌を歌ってくれたけど、アニメに関わった曲が多かった。こういう曲はアニメの世界観に沿って作るだろうし、いつもみたいなアルバムツアーだとセットリストから外れてしまいがちになるから、今回はたくさん歌ってくれたのかなあなんて思った。(真綾ちゃんの歌はもう200曲以上あるそう。すごい。)

 

わたしが今回のセットリストに入ってた曲で聴けて嬉しかったのは真綾ちゃんが10代後半〜20代前半の間に歌われた曲たちなんだけど、特にハニー・カムと光の中へはちょっと涙が出た。ハニー・カムは「夕凪LOOP」(2005)の二曲目に収録されている。一曲目のHelloもめちゃくちゃ好きで、Helloは2年くらい前のライブで初めて聴けたんだけど、まさかハニー・カムもライブで聴ける日が来るなんて!恋の予感〜なんて歌う真綾ちゃんが見れるなんて!聞き込んでいた高校生の頃の私に教えてあげたい。ハニー・カムは、まだMDを使っていた頃、もうこの人に会うことはないかもしれないなって、なんとなく思いながら帰りの電車でエンドレスリピートしていたことを思い出した。

光の中へ(1996年)(菅野さんと岩里さんの神コンビ……!)はお別れの歌なんだけど、「泣かないで/また会おうね/でも会えないこと/私だけ知っているの」っていうフレーズが好きで、これもたくさん聴き込んでた時期があったから聴けて嬉しかったし、ただただ美しかった。真綾ちゃんはバラードがいちばん好きだなあ。

 

ワクワクしたのは2曲目の走る。1曲目がプラチナで、有名な曲をどんどんやっていくのかなと思ってたから、イントロのストリングスが聴こえた途端のわくわくした気持ちはなんとも言えなくて、どうやってライブを展開していくんだろうって。後半はアニメの主題歌ばっかりのメドレーがあったんだけど、tune the rainbow〜指輪はもう呼吸すらも忘れてしまうくらい。伸びやかで透き通った声がとても美しかった。

 

今の自分にぴったりだったのはカザミドリで、「変わることを恐れながら/ここに留まりたくもない」「ひとりぼっちは嫌なのに/ひとりで行かなきゃ意味がなくて/寂しさに足が止まっても/まだ帰れないの」がまさに今の私の状況だった。カザミドリ自体を聴くのが久しぶりだったから、いまこの歌が聴けてよかった。(これも最近の曲の気持ちでいたけど、もう「かぜよみ」が出たのは2009だから、少し前の曲だった……!)

 

真綾ちゃんのライブを今までたくさん見てきたけど、今回が1番よかった。たぶん、今の自分に必要なエネルギーをもらえるような歌が多かったからだと思う。真綾ちゃんが初めのMCで「ALL CLEARでRE START」の話をしていて(20周年のいろいろを終えて全部の信号がgoになってここからまたやっていくぞという気持ち、離陸していく、みたいなMCだった)、私も春から新しい職場に変わるしかんばるときだから、今の自分にぴったりの音楽が聴けるんじゃないかなと思いながら2時間半を過ごした。座って聴いてたのもあって、ライブってなににも邪魔されず音楽だけを楽しめる場所なんだなあと改めて思ったし、歌詞のパワーをびしばし感じた。たとえば、マメシバの「誰より早くたどりついてみせるよ/君のもとへ固く縛りつけてる/にぶい光の糸を捨ててあげる」とか、Be mine!の「Be mine!私の名は本能の共犯者」とか(本能の共犯者ってすごいフレーズ)、ロマーシカに至っては最初から最後まですごいエネルギーだった。このエネルギーの強さが「坂本真綾」で、これを浴びに今日はここまで来たんだなと思った。逆にこのエネルギーがあるから、聴けなくなってしまうこともときどきあるんだけど、でも今日の曲たちはいま私に必要なことってこれなんじゃないかなあと思えるものばかりだった。他人に振り回されるんじゃなくて、自分に集中して暮らしていくこと、今一番私になかったもの。

真綾ちゃんは今回自分が歌いたい歌を選んだと言っていて、それから自分がハッピーであることが他人にも影響するとも言っていた。いままでで1番いいライブだなと思えたので、自分がハッピーであることは正しいことなのかもしれないと思った。

 

たくさんエネルギーをもらって、この日のことを忘れたくないし覚えていたいから、帰りに真綾ちゃんがデザインしたほぼ日手帳を買って帰宅した。真綾ちゃんはライブで見る度にどんどん上手くなっていく。どこまで進化していくんだろう。また見に行きたいな。