エレクトーンのこと

来月の終わり頃に、生まれてはじめてエレクトーンのコンクールに出ることになった。小学校に上がったくらいの年齢の頃から、毎年発表会には出ていた。曲も自分で選ぶことなく、先生に言われるまま練習していた気がするし、自分の気持ちはどうだったかよく覚えていないけど、今回は自分で出ることを決めた。大人になったな、と思う。去年に発表会に出たけど、自分と同じレベルくらいの曲を弾いてる人に出会えなかったので、コンクールだったら、そういう人がたくさんいるかもしれないし、もっと上手な演奏を聴いてみたいと思ったからだった。昨日いちまんえんを払ったので(コンサートホールで一曲弾くだけなのにまじ高い)(だけど自分への投資も兼ねて払った)もう後戻りはできない。やるしかない。

とはいえ、コンクールのことはよくわからない。どれくらいの年齢の子が出てるのかとか(大人少ないだろうな〜〜くらい)、どんな空気で行われてるのかとか(ピリピリしてるらしい)、どんな曲を選んでくるのかとか、何を目的にして出場するのか、とか。なので、本番のことがイメージできず、ずっと見通しが立っていないまま練習している。ある程度の見通しが立たないと不安になるタイプなのでちょっとつらい。自分の実力もよくわからないし。上手いか下手かって聞かれても答えられないし。表現力の面ではもっと鍛えていかなきゃいけないと思う。

 

それでも、なにもわからないまま曲選びからスタートして、ずっと手探りでなんとかここまできた。それなりに曲も形にはなってきたけど、弾けば弾くほど下手になってる気がしてよくわからなくなっている。昨日、先生にコンクールまであと少しだけど今後の練習方法についてどうするかという話をされた。そもそも参加したことがないので、何を想定して練習すればいいかわかりませんと伝えると、次に進むことを意識して練習していたりとか……(進んでいくにつれ全国大会まであるらしい)と言われた。次に進むということは大会の評価基準を目標にして練習をしていくということだ。それはそれですごい。子どもの頃だったら大きく夢を掲げてそれでもよかったかもしれないけど、もう子どもじゃないし、自分の意思が8〜9割反映されてしまうから、他人の評価を基準にしてしまうと、かなりしんどい気がする。追いつかなくて、きっとつらくなってしまうし、入賞しなかった=だめ みたいな。そんなわけないじゃん、そこまで向かって生きてきた日々が尊いんだよ。仕事も育児もしながらよくここまできたよ。その時点でもう自分にはなまるをあげたい。だけど、どう頑張るかはここで一度考えるべきことで、いままでのいろんな「がんばってきたこと」を思い出すと、結局自分が納得いくまでやっていた。これだ!って思うまでずっと取り組んでた。から、周りがどうであれ、先生の思惑さえも通り越して(次に進んだら怖いって言ってた)(次は曲ともう一個別の何かがあるっぽくて、その対策ができてないからだと思う)(でもさあ、生徒の前で進まれたら困るみたいな雰囲気醸し出すのまじやめてくれよな)(だけどもう音楽の指導以外で先生に影響されるのやめるって決めたから!)、わたしが当日納得できる演奏ができればいいんだと思う。結果はおまけでしかないから、自分が納得できてたら後からついてくるのだ。

 

母親にわたしはじめてコンクールにでるんだ〜〜!と言うとあんたなにになっていくんだろうねえ、と言われた。お金にもならないし。上手くなっても特に何にもならないし。わかんないね〜〜!あはは〜〜〜!と言ったけど、今思えば、たぶん続けていくことで、もっともっと、「わたし」になっていくと思う。エレクトーンは、自分を構成するものだから。